過去の事例
事故被害者:男性・27歳・飲食店従業員
青信号を直進して来た当時27歳だった男性が運転する普通自動二輪車車が、反対側から来て右折した普通乗用自動車に衝突し、男性が傷害を負った事案でした。
男性は、外傷性クモ膜下出血、尿道損傷、上顎骨骨折、下口唇裂創、外傷性硬膜下水腫、高次脳機能障害、右同名半盲等の傷害を負いました。
そして自賠責保険において、
・眼については後遺障害等級別表第Ⅱ第9級3号・同第13級1号・同14級相当・同第14級相当に同一系列内の障害を総合して、第8級相当。
・脳外傷による高次脳機能障害については、第5級2号。
これらの結果8級と5級の併合として、第3級と認定されました。
この裁判では、療養給付・入院慰謝料・後遺障害慰謝料などについての見解は、概ね一致していたものの、全体の過失割合と、労働力喪失率の認定をめぐって逸失利益について、損害賠償額が争われました。
2.過失割合については・・・
加害者(被告)側は、被害者男性(原告)も道路から右折する車両を確認しにくい状況にあったのだから、少なくとも原則ないし徐行して交差点の安全を確認してから進行すべき注意義務があったのに、対向車線から右折してくる車両に注意を払うことなく、右折待ち車両のすぐ脇から漫然と交差点に進行したのだから、過失があったといえること。また、目撃者の供述によって、原告側被害者の男性は、非常に速い速度で進行していたことなどを主張して、原告側にも30%の過失を主張しました。
これに対し、裁判所は、基本的過失は、被告側にあったこと。原告側被害者は決してゆ
っくりした速度で進行してはいなかったとしても、交差点に侵入した際の速度を具体的
に速い速度と認める証拠はないとしました。
車同士の衝突の場合、過失ゼロが認めれることはまずありませんが、裁判では当然過失ゼロを主張し、その場合の¥102,335,663で、賠償額を主張しました。
その結果、裁判では、被告側の主張した半分の15%の過失割合が認められ、原告被害者男性の過失割合を最小限に抑えることができました。
3.労働力喪失率に関しては・・・
被告側の主張は、自動車損害賠償保障法施行令別表第ニによれば、第3級の場合、労働力喪失率は100%とされていますが、被告側は、後遺障害別表第2併合第3級であるものの、労働能力喪失率は「後遺障害別表第5級の79%とよりも低い」ことは確かで、後遺障害別表第2併合第3級とされたのは、後遺障害等級の繰り上げによって、結果として3級になったものでしかすぎず、単に後遺障害第3級に該当した場合と、繰り上げの結果で第3級となった場合とでは、程度は異なることを主張しました。
裁判所は、面会したときの様子や生活状況などから、一見社会生活をこなしているように見えても、これだけをもって、原告側男性の労働力喪失率は79%よりは低いもの、後遺障害の労働能力への影響量が軽いものとは認められないとして、眼障害と高次脳機能障害とをあわせ、79%を認定しました。
4.これらの結果、¥36,391,490に対し、差額にして¥50,593,823の¥86,985,313が認められました。








